筋金入りの漫画読者が、感想や思い出を中心に書いてます。
スポンサーサイト
--/--/--/ (--) | edit |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「獣の奏者」 ~切なさと苛だちと哀しさと
2010/04/08/ (木) | edit |
ここのところずっと、俺が読む小説って奥さんが、「これぜったい面白いよ!」 って薦めてくれるばっかになってます。

彼女の方は子供の頃からの生粋の小説愛読者です。 漫画も好きだけど、比率だと90%以上は小説の方を読んでる。
そうやって手渡される本は、確かにムチャクチャ面白いんです! 俺が好むとかジャンルとかを知ってるからかもしんない。
「獣の奏者」(けもののそうじゃ)って言うと、アニメ版「獣の奏者エリン」を思い浮かべる人が多いと思う。

KemoSou-a01.jpg

でも原作の上橋菜穂子さんの小説を読んだ人には、浮かぶのは絶対に小説版「獣の奏者」です。
言うまでもないけど、これも奥さん推薦で読んだ作品。

KemonoS-s01.jpg

上橋先生の小説は、まず最初に「守り人」シリーズから入りました。
シリーズ第1作「精霊の守り人」は、NHKという名の国営放送アニメ化されてます。 そして藤原カムイさんの画で漫画にもなってる。

SeireiM-a01.jpg

「精霊の守り人」から「天と地の守り人-三部作-」までの本編10冊を読むのに、それほど時間はかかりませんでした。 気づいた時にはすっかり、上橋ワールドに浸ってました。
引き続き読んだのがこの「獣の奏者」です。 その後に、「狐笛のかなた」
当時発売されていたのは、ハードカバーの単行本だけでした。

「獣の奏者 I  闘蛇編」(作:上橋菜穂子 2006年 講談社)
「獣の奏者 II 王獣編」(作:上橋菜穂子 2006年 講談社)

実は「獣の奏者」は、この2冊で一度は完結した作品です。
だけど上橋菜穂子先生のもとには、続編を書いてくれという要望が続きました。
自分が思い伝えたい世界を一度完全に書ききった上橋先生には、その先を綴る気持ちはありません。 「獣の奏者」のその後は、読者がそれぞれに想い描いてくれればいいと、そう固く決意されていました。

3年の時が流れます。
そして上橋先生の元へ、「獣の奏者」TVアニメ化の相談が入ります。 アニメ版のタイトルは、「獣の奏者エリン」

「闘蛇編・王獣編」をベースにしたアニメ版のために、上橋先生を中心に据えてストーリーの再構築がおこなわれました。 そしてそれが、上橋先生の心を動かしました。
3年間揺らぐことのなかった上橋先生の中で、「闘蛇編・王獣編」でまだ書ききれていなかったエリンの世界が、はっきりと見えてきたのです。

去年(2009年)1月から12月までの1年間、アニメーション「獣の奏者エリン」放映されました。
そして同じ昨年の夏に、読者がずっと願い待ち続けたそのが世に出てきます。

「獣の奏者 III 探索編」(作:上橋菜穂子 2009年 講談社)
「獣の奏者 IV 完結編」(作:上橋菜穂子 2009年 講談社)

ページを繰ると、”その後のエリン”がそこにいました。
そして今度こそ本当に、我々はエリンと一緒に終わりまでを駆け抜けます。 エリンと共に、エリンの世界を生き、エリンの苦しみを感じ、エリンの心と共に空を舞います。

そうやって駆け抜けた時・・・ ページの最後をそっと閉じた時・・・ を満たしていたのは歯がゆさにも似た、苛立ちにも似た、切なさと、それから深い哀しみの感情でした。

この「獣の奏者」はそんな風に、自分の中を通りすぎていった作品です。 今は文庫本も発売されてます。

青い鳥文庫で、全4巻。
講談社文庫だと、2巻まで。

漫画コミックになっている「獣の奏者」(原作:上橋菜穂子 漫画:武本糸会)は、実はまだ1ページも読んでいません。

KemonoS-c01.jpg
正直言うと、読みたいんだけど怖いって気持ちがの方にあります。
小説で体験した、エリンの育った世界。
エリンが駆け抜けた世界。
彼女の安らぎを願い、見守り続けた世界。
その世界が歪みそうな、そんな怖さがあります。

そして多分もっと怖いのは、自分の中の感情です。
エリンを励まし、エリンの成長を応援し、幸せを願っていた気持ち。
後戻りができないエリンに、目を背けたくなる苛立ち。
選ぶ道はあった筈だと、叩きつけたくなる哀しみ。
奥底にしまってある、そういった想いが色あせるんじゃないかという、そんな怖さ

だからアニメ版の「獣の奏者エリン」は、第3話から以降は目にしてません。 そこにあったのはかつて自分が知っている、かつて自分が見守ったエリンの世界ではなかったから。

コミックは、いつか読んでみたいと思ってます。
だけど今はもう少し時間をおきたい気持ちが強い。
だからいつか、もうしばらくしたら、手にとってみようと思っています。


にほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へ
 ↑ ここをポチっとしてもらうと嬉泣きします
Comment
Comment list
submit
URL:
Comment:
Pass:
secret: not public
 
track back
track back url
track back list
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。