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「無限の住人」 ~刀で切られても平気な人だけ見てください
2010/04/20/ (火) | edit |
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「無限の住人」(作:沙村広明) 1994年~講談社・月間アフタヌーン



「無限の住人」。 沙村弘明さんの連載デビュー作となる時代劇

どうしよ・・・ 触れちゃったよこの漫画に。
だって長いつきあいだもんなぁ・・・。
最初に読んだのはコミックだけど、先が気になってたまに雑誌でも読んでます。
何年開始の漫画だろうと思って、コミック第1巻巻末を開いてみました。
初版発行1995年です。 雑誌掲載はその前年の1994年から。

現在発刊されてるコミックが第25巻まで。
月刊誌の掲載ペースで25巻です。 途中からとはいえつきあい長いハズ。

それで、この「無限の住人」だけど・・・ 青少年にはすすめません!
もっと人生の悲哀を経験して、いろいろ挫折を味わって、拗ねてひねてねじれた気持ちを持て余して、そうして充分に汚れまくってから読むと、この作品の味わいが深まります!

俺? もう味わいまくってますとも! これ以上ないほどに!

沙村弘明さんの作品には、基本的にそんなトコあります。 人格の歪みの表現が上手いというか。 それが味だったりするんだけど。
かなり逝っちゃってるキャラとか登場するし。

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↑ 逝っちゃてるキャラ代表の尸良。 どんな風に逝っちゃってるかと言うと・・・ 言葉にできません!

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↑ 逝っちゃてるキャラ次席の黒衣鯖人。 どんな風に逝っちゃってるかと言うと・・・ 思い出したくありません!

それと、(素直な)女の人には好まれそうにない作品です。
切れた腕とか飛ぶしね。 も飛ぶしね! 腹部とかとかズタズタに裂けまくるしね! しかもそれが主人公だったりするしね!!

「あ、好きかも」って思った人・・・ まだ間に合いますよ。 引き返しましょう。

だけどそんな目にあっても、この主人公の万次(まんじ)さん、死なないんです。 だって万次さん、不死 だしw

俺、スプラッタ苦手なんで、リアルに血がぶしゃぁ っとか、腕がぐちゃっ とか、登場キャラがゲロをでろでろ~ とか(これは違うか)、好きくないんですよ。
沙村さんの絵は劇画風で、その描写とか凄いんです。

だけどそれを割と流せるのは、それだけこの「無限の住人」作品レベルが高いってことなんでしょう。
あと、ギャグを散りばめてあって、心を軽くしてくれるっていうのがあるかもしれない。 フキダシ外で小言でつぶやくセリフとか、痙攣します。

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さて、物語の中心にいるのは、14歳の誕生日に両親を惨殺された少女の(りん)。
殺したのは、「逸刀流」という流派の剣士集団です。 凜は逸刀流への復讐のため、用心棒を雇います。
その用心棒が、「百人斬り」通り名で呼ばれる不死の体を持つ男、万次(まんじ)さん。

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最初2人は仇討ちの線で、逸刀流の剣士一人づつと壮絶な殺し合いをおこないます。
そして乙橘槇絵(おとたちばなまきえ)との戦いの折に、槇絵から復讐のために人を殺すことの正義を問われる。 この辺りから、この物語が単なる復讐劇でないことが見えてきます。

狙う側にも狙われる側にも、それぞれの事情背景があります。
蒔絵さんは、幼少時より凄まじい剣の才能を持ちながら、それ故に哀しい生き方をしています。
それは自分の身を汚して生きてくるほどの哀しさ。 彼女はとても生き方の下手な人です。

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ちなみにこの時の万次さん、槇絵さんにズタボロにされてます。 が庇わなければ、流石にご臨終でしたね。

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この「夢幻の住人」は、その時々で語られる各人のエピソード思い入れのキャラが変化します。
初めに肩入れしたのは、両親を殺された。 そしてに手を貸す万次さん。

かなり悲惨な境遇のだけど、今はそれをあまり感じさせません。
その理由には、このの一途だけど天然な性格とか、彼女の中で変化していく感情とか、そういうのもあるでしょう。
だけどそれ以上に大きいのは、やっぱり万次さんの包容力です。 万次さんはを子供扱いします。 口も悪い。
けど彼女をめちゃ可愛がってる気持ちが、その行動によく見えます。 の傍には万次さんがいるという、その安心感が大きいのでしょう。

登場するキャラの生い立ち背景が見えてくると、そこに肩入れしてしまう。
蒔絵さんにしてもそう。 「逸刀流」党首の天津影久(あのつかげひさ)にしてもそう。
天津には目指すものがある。 彼は揺るぎ無い信念を持っています。

そうやって登場人物たちのが、折々に見えてきます。
沙村広明さんって話の展開が上手いって思うのはそんなところ。

天津影久が旅の道連れとなる経緯があって、このくだりからの中に明らかな変化が見て取れます。
この2人が心形唐流門下生達に襲われる。 この時の天津影久は病に苦しんでおり、まともに戦えない。
を助けにきた万次さんと、天津を迎えにきた逸刀流の剣士凶泰斗(まがつたいと)が、この心形唐流門下生達を相手にして戦います。
狙い狙われる者達が、そうある筈の関係が、微妙な絡み合いを始めていく。 これが第12巻終盤からの話です。

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そしてここで、再びその剣技に酔わせてくれる蒔絵さん。 この人の剣舞、もしかしたらこれが見納めの可能性もありますね。

凶泰斗万次さんのかけあいとかも絶妙です。
最初に殺し合いして引き分けた相手だとは思えない。 「お前ら仲良しだろ!」 ってつっこみは確実です。

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幕府絡みの集団「無骸流」とか「六鬼団」とかも登場し、剣士の数も今では何十人と膨らみ、万次さんの終着がどこへ向かうのか見えなくなってきている。
それぞれの信念背景が、今では複雑に絡んでいます。 最初から読まないと、途中からではもう絶対に関係が見えません。

ざぐぅっ とか、 ごぎぃっ とか、 ずりゅぅぅっ とかの痛みに弱い人にはキツイかもしれない。
俺もそういう描写は苦手な方です。
それでもやっぱり、面白いんだよ!

ちなみにコミックには著者から、このような言葉が添えられています。

「現在武士を営んでおられる方で、日ごろ武士を曲解したような時代劇を苦々しく思っている方は、怒らないでください」

良かった俺、武士やってなくてw


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影絵のパズル
2010/12/25(Sat) 15:36:59 |  ゲーム攻略サイト
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