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「真月譚 月姫」 ~私を殺した責任とってもらうんだから
2010/05/20/ (木) | edit |
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「真月譚 月姫」(作画:佐々木少年 原作:TYPE-MOON) 2003年~メディアワークス・月刊コミック電撃大王



今からだと何年前だろう。 7~8年くらい前かな。 同人ノベルゲーム「月姫」の名前は有名でした。
名前は知ってたけど、実際にプレイしたことはありません。 印象としては当時、同人ゲームとして異例の人気作品だったという記憶くらい。
正直このノベルゲーム(ゲーム小説)がどんな話なのか知りません。
この漫画化された佐々木少年「真月譚 月姫」が、俺が初めて触れた「月姫」です。

ゲーム版怪奇ノベルが原作だから、この「真月譚 月姫」にはがほとばしる殺戮シーンがあります。 
そこは個人的に流石にひくけど、それでいて内容はかなり読ませます。 
つまり原作のゲーム版「月姫」が、それだけ良くできたシナリオなんだよね、きっと。

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作中の登場人物は、ほとんどが特殊な力を持った「異形の存在」です。

遠野志貴(とおのしき)は「直死の魔眼」という、特別な目を持っています。
それはあらゆるモノに必ず存在する、そこをなぞれば破壊できる致死的な箇所を、黒いとして知覚することができる異能の力

志貴の手に刃物がひとつ握られれば、彼の前ですべては出来立てのトウフのように脆い存在です。
彼がその気になれば、すべては例外なく破壊される対象となります。 それがであろうと、強固な建造物であろうと。
「直死の魔眼」はそのを秘めた人間を、無類の殺人鬼に変貌しうる力です。

そして事実、彼は通りすがりの金髪の少女に対して、異常な破壊衝動に襲われてしまう。 遠野志貴はその少女を、一瞬でバラバラに切り裂きます。
沸き起こった衝動に己を失い、抑えがきかず、その少女を殺してしまう志貴・・・。

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これが遠野志貴と、吸血鬼の少女、アルクェイドの出会いでした。
とんでもない出会い方です・・・ 皆さん真似しないように。(しないでネ! お願いだからっ!)

もちろんそんな破壊衝動に、遠野志貴がいつも襲われるわけではありません。
すれ違った少女が「特別」だったのです。

彼女の名前はアルクェイド・ブリュンスタッド
彼女は吸血鬼であり、それも真祖と呼ばれる特別な存在。
太陽の下でも塵にならず、人のを吸わなくても存在できる異質吸血鬼

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志貴に一度殺され、再生した彼女はそれが原因で弱っています。 当然の成り行きとして、志貴はそんなアルクェイドを手伝うことになる。
だってね・・・ その手で殺しちゃった相手から協力しろって言われたら、みんな手伝うよね。(ありえないけど)

そしてアルクェイドの目的は、「吸血鬼狩り」です。

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アルクェイド無邪気さと、内に秘めた魔性の力ギャップが凄い。 アルクェイドは登場した初めから、異質なモノに漂う怖さを感じさせません。

自分を殺した志貴に向けて、彼女はなんて素敵に笑うんだろう・・・。
それは人間よりもずっと、温かみを感じる笑顔です。 まるで楽しくて楽しくて、ウキウキしている子供のよう。

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むしろ志貴の遠野秋葉(とおのあきは)や、シエルさんの方がずっと怖い。
秋葉を操る力を持つ、勝気な令嬢。 そして「死ねない体」シエルさんは、埋葬機関の代行者。

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心根は優しい彼女達だけど、その戦いはとても熾烈です。
そして死ねない体でも痛みを伴うシエルさんの戦い方は、悲愴としか言いようがない。
肉が裂けても悲鳴を漏らさない彼女に変わって、うめき声が口をつく。 飛び散る血しぶきに、思わず奥歯をかみ締めてしまう。
そんな殺戮シーンも随所に描かれる。
仕方がない。 怪奇ノベルがベースなんだから。 夜の雲間の湿った風のような、陰湿さも随所にある。

そして、アルクェイド笑顔でまた癒されます。

アルクェドが初めて経験する人間との触れ合い。
志貴と供にあるとき、彼女は本当に楽しそうな表情を見せます。 待ち合わせの場所で時間を気にする姿はもう、まるで恋人を待つ少女のよう。
彼女には自覚のないことだけど、それは人がをするその気持ちと、きっと同類のものなのでしょう。

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天真爛漫で、とても無邪気真祖の吸血鬼、アルクェイド
永遠とも言える彼女の時間の中で、初めて経験する「感情」というもの。
この世界に存在を始めてから、「失くしたくない」 と初めて思う志貴と一緒の今の時間
彼女の楽しげなこの一瞬をできることならずっと守ってあげたい、そんな切ない気持ちが沸いてきます。

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彼女に子供のような笑顔で「責任とってもらうから」 なんて言われたら、やっぱり惹きこまれるよね。 それが志貴でなくてもね。



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