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「カムイ伝」 ~内容でタイトルつけるなら正助伝でしょ
2010/08/19/ (木) | edit |
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「カムイ伝」文庫版全15巻(作:白土三平) 1964年~青林堂・月刊漫画ガロ



ちょっと間があいたけど、の漫画からってことで白戸三平さんの「カムイ伝」です。
正確に言うとこれはシリーズの第一部で、小学館文庫だと全15巻
1巻あたりが400ページ近い内容なので、かなり読みごたえがあります。 と言うか一気に読むのはかなりキツイ!
横山光輝さんの「三国志」全60巻を読む時と同じように、ボリューム感を感じます。 単純に総ページ数の問題じゃなくて、物語内容がそう感じさせるのかもしれない。
ちなみに「カムイ外伝」の方じゃないですよ。 「外伝」じゃなくて本編「カムイ伝」です。

実を言うと、先に読んだのは「カムイ外伝」の方でした。
本編「カムイ伝」では、主人公のカムイはメインと言えるほど重要な位置にいません。 カムイ自身の細かな話は「外伝」の方で描かれます。
「外伝」は抜け忍カムイの活躍を描く剣劇の色合いが濃い時代劇
その意味で本編に比べるとがすっきりしてて、とても判り易いし読み易い。 そしてカムイがかっこいい。

一方「カムイ伝」の中心に位置するのは、言うなれば江戸時代階級差別に虐げられる人々です。
物語の中でその生き様を描かれる人物が多く登場し、そんな人々へ視点が移り変わりながら進みます。 時間がいきつもどりつするのと、視点が移った人物の前の状況が思い出せないので読み戻ったりする。
内容をしっかり理解しようとすると、じっくりと時間をかけて読んでしまう。

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内容も「外伝」のような冒険活劇とは程遠く、江戸時代の色んな階級の人々の生活苦しみ生き様を描いています。
特に階級差別で虐げられる農民非人からの視点「カムイ伝」の本筋でしょう。
その代表として主役の位置を占めるのが、農民で最も階級が下の正助(しょうすけ)。

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正助と彼の住む花巻村が、物語の舞台として頻繁に描かれる場所です。
少年時代から知性に優れる正助は、成長とともに農民非人の生活の改善を考え試みていきます。
正助は心根がとても優しく、農民非人差別意識を失くした未来を想い描きます。
青年になった正助は次第に皆を指導していく存在になる。 そしてお互いに想いあっていた非人ナナと、差別を超えて結ばれます。

このナナカムイ。 非人の村を捨てて忍者として生きるカムイは、ナナ正助の周りには時折姿を見せる。
「カムイ伝」の中での彼は、運命束縛に抗い自由を求める象徴です。 そして時代の傍観者のように、幸せを願い見守っている。

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数多の登場人物達の階級背景が多岐にわたり、それぞれの見方や考え方が詳細に描かれます。
その中で草加竜之進(くさかりゅうのしん)は、武士視点で描かれる主要な人物の一人。

家老であった父の失脚に絡んで浪人となり、その後は訳あって非人になりナナ達のもとで過ごします。
復讐だけを支えに生きる彼が、非人の村での生活で世の不平等さや色々な人達の考えに触れていく。

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そして次第に、広い視野を持った人物へと成長していきます。
武士が絶対の時代にあって、竜之進変化は生まれに寄らず人が平等であることを認識させてくれる。

「カムイ伝」は通常の漫画とはかなり意味合いというか、位置づけが違います。
娯楽性よりも、作者の描きたい大きなテーマを礎にしている。
様々な人々の人生が綴られる壮大時代物語。 そして江戸時代歴史生活を実感させ、生々しい苦しみを訴えます。

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第一部の後書きによると、白戸三平さんの中で「カムイ伝」は初めから三部構成で考えられています。
そして現在「カムイ伝」は、第二部まで執筆されました。
いつか続編の第三部が世に出てくる機会があるといいですね。

もっとも人気至上主義の現代に、好みの別れそうなこの漫画を掲載させてくれる雑誌社があるかが疑問です。



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