筋金入りの漫画読者が、感想や思い出を中心に書いてます。
スポンサーサイト
--/--/--/ (--) | edit |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「11人いる!」 ~鬼才が描いた情愛溢れる宇宙劇
2010/10/19/ (火) | edit |
11niniru-top.jpg
「11人いる!」(作:萩尾望都) 1975年~小学館・別冊少女コミック



完成度の高い映画小説に触れた後、心地よい疲労感にも似て長い吐息が漏れる。
萩尾望都さんには確かに、そんな余韻を残す作品が多い。
前に記事を書いた「ポーの一族」もそのひとつです。

(記事はコチラ)→ 「ポーの一族」
宇宙を舞台にしたSFサスペンス、「11人いる!」
この漫画も読み終わった後に、暫く動きたくない空気に包まれます。 知らず口から吐息が漏れます。
「11人いる!」古典名作です。 疑いようもなく。

11niniru-04p.jpg

萩尾さんの漫画は、時代を感じさせません。
絵が繊細独創的なこともあるけど、の高い流れるような物語の作品だということを忘れさせます。
完成された戯曲のように、リズミカル鮮烈に、めいてかつ情感溢れるストーリーが展開されます。

11niniru-07p.jpg

主題の「11人いる!」自体は、120ページ程の短い話です。 だけどそこには、萩尾さんの緻密構想が詰まっています。
多くの伏線と、魅力的で存在感を示す11人の若者の個性があります。
息をつかせない流れの中で 翻弄される11人疑心信念情愛。 そしての繋がりが描き出される45日間の物語。

話に起承転結流麗な流れがあり、旋律があり、それぞれのページに痺れるような展開が待っています。
非の打ちどころのない宇宙物語です。 そう、まるで1作の映画を観るような。

11niniru-08p.jpg

星間連盟に属する異星人同士の交流が、当たり前になっている程の未来の話。
登場人物は、超難関の「宇宙大学」合格を目指す受験生達です。
そこには色々な星系種族の若者が集まっています。

その最終試験まで残った700名の受験生が、10人づつのチームに分けられ、それぞれに用意された宇宙船へと振り分けられます。

11niniru-02p.jpg

最終試験の内容は、漂流船と想定された宇宙船の中で、10人が協力し合って決められた日数を乗り越えることです。
外部との連絡は一切できません。 スクランブル発生の場合は、用意された「非常用ボタン」を押すしかない。
そしてそのボタンを押すことはすなわち、宇宙大学合格を断念することを意味します。

10人で最後まで乗り越えて合格を勝ち取るか、揃って不合格になることを承知でボタンを押すか。
彼等にもたらされる結果は、その二つしかありません。

こうして主人公タダトス・レーンを含めた見知らぬ10人が、ひとつの宇宙船に集います。 宇宙船の名は白号(はくごう)。
しかし彼等には、始まりから既に異様スクランブル発生していました!
それぞれのチーム10人の筈。 なのにそこには11人いたのです!

11niniru-01p.jpg

最初の10ページ足らずで、「11人いる!」のタイトルどおり、このミステリアスドラマがスタートします。
当然集った者達は、誰が11人目だ! と騒ぎだす。
だけど彼等には、この11人目を暴き出す余裕すら与えられません。
次々と襲い来るトラブルを乗り越えるため、彼等はを合わせていくしかない。
しかし11人目の存在は、皆のを掻き乱していきます。

11niniru-03p.jpg

正体の見えない11人目目的は何なのか? そしてそれはなのか?
彼等の状況は、避けがたい非常事態へと進んでいきます。 それは偶然なのか?
彼等はその状況を乗り越えることができるのか。 そして皆のがひとつになって、最後に選ぶ選択肢は?

長い話ではないので、あっという間に読んでしまいます。 だけど、とても密度の濃い漫画です。
時間をおいて読み返して、最初は気付かなかった伏線に気がついたりしました。
この限られたページにこれだけの内容が込められていたんだと、改めて驚きがありました。

11niniru-06p.jpg

各人の個性が生きていて、沢山の盛り上がりがあります。
とうぜん中には人間離れした容貌の者もいます。 にしか見えない美形もいる。 落ち着いていて頼りになる者や、無口で謎めいた者など。
そして彼等には皆それぞれに、内に抱えた事情があります。

サスペンス調でミステリアスで、展開が速くてドラマチックです。
そして次第に築かれる彼等のが、心地よさを誘います。

11niniru-05p.jpg

11人目の謎も含めて、見舞われるトラブルとか細かな内容には触れません。
機会があればこの漫画には、新鮮な気持ちで触れてください。



にほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へ
 ↑ ここをポチっとしてもらうと嬉泣きします
Comment
Comment list
submit
URL:
Comment:
Pass:
secret: not public
 
track back
track back url
track back list
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。